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大越 実
デコミッショニング技報, (26), p.2 - 12, 2002/11
1996年にIAEAによって提案されたクリアランスの概念は、原子力施設の廃止措置等に伴って発生する極めて放射能レベルの低い固体状物質の管理に当たって非常に有用である。このため、欧州委員会(EC)は、RP 89において金属に対するクリアランスレベルを、また、RP 113において建物及びコンクリート片に対するクリアランスレベルを提案している。ECは、さらに、RP 122において全ての固体状物質に適用可能な一般クリアランスレベルを提案している。これらの提案されているクリアランスレベルと原子力安全委員会の提案しているクリアランスレベルを比較した結果、その相違は小さかった。Fe-55が最も相違が大きく、ECのクリアランスレベルは原子力安全委員会の提案値の約5分の1であった。その相違理由は、ECがコンクリート片を幼児が直接摂取するという経路を評価し、その摂取量に安全側の値を使用していることにあった。